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009 言霊貯金

last update Terakhir Diperbarui: 2025-04-06 19:00:40

「それで大地。今日のこと、忘れてないよね」

 青空〈そら〉の言葉に、大地が一瞬固まった。

 カレンダーの赤丸を見て、「そうだった……」そうつぶやいた。

「やっぱりか。迎えにきてよかったよ」

「悪い。色々あってすっかり忘れてた」

「今日は結構な人数だからね、人手はいくらあっても足りないんだよ」

「何時からだっけ」

「14時から。だから慌てなくていいよ」

 大地と青空〈そら〉が当たり前のように話を進める。自分には関係ないことだ、そう思った海が、カップを洗おうと立ち上がった。

 その時青空〈そら〉が、不自然に声を上げた。

「そうだ! 人手ならここにもいたんだった! ねえ海ちゃん、暇だったらなんだけど、手伝ってくれないかな」

「手伝いですか?」

「うん。さっきも言った通り、今日はちょっと忙しくなりそうなんだ」

「お世話になってますし、私なんかでも手伝えるのでしたら」

「よーし! 人員一名ゲット!」

「おいおい青空姉〈そらねえ〉、強引に進めるなよ」

「いいじゃんいいじゃん。これもお互いを知るいい機会でしょ? あ、そうだ大地。煙草きらしてるんだ。買ってきてくれない?」

「本数、守ってるよな」

「大丈夫だって。ちゃんと守ってるよ」

「分かった。じゃあちょっと買ってくる。海は大丈夫か?」

 大地がそう聞くと、海は笑顔でうなずいた。

「子供じゃないんだから。大丈夫だよ」

「ちょっとちょっと。私と二人にするのが危険みたいじゃない」

「みたいじゃなくて、危険だからだよ。いいか海、変なこと聞かれたら無理に答えなくていいからな。すぐ帰ってくるから耐えるんだぞ」

「いいからさっさと買ってこいって。このままだとお姉ちゃん、ニコチン切れで倒れちゃう」

「分かった分かった。じゃあ行ってくるな」

 * * *

「さてさて……ほんと、厄介事に愛されてるよね、あいつ」

 青空〈そら〉がそう言って、煙草をくわえ火をつけた。

 なるほど。自分と二人で話したくて、大地を追い出したんだ。そう思い、海が表情を引き締める。

「さっきも言った通り、詳しい事情を聞こうとは思ってないよ。海ちゃんが家出少女だってことも、大地が咄嗟についた嘘だって分かってる」

「……」

「教えといてあげるよ。あいつね、嘘をつく時は視線を右下に下げるんだ。ほんと、分かりやすいんだから」

「じゃあ青空〈そら〉さん、どうして私を受け入れてくれたんですか」

「それはね、海ちゃんのこと、気にいったってのが一番の理由」

「……」

「どんな事情かも、どうやってあいつと出会ったのかも知らない。でも海ちゃんを見てたらね、面倒みたくなるのも分かるなって思ったの」

「……ありがとうございます」

「あとはそうね、あいつが他人に興味を持ったみたいだったから。これって結構レアなんだよ」

「レア、ですか」

「うん、そう。付き合っていけば分かると思うけど、ほんとあいつ、他人に興味がないんだから」

 青空〈そら〉にそう言われ、なるほどと海は思った。

 昨日から今日まで。確かに彼は、私の本質に迫ろうとする行動を一切見せてない。

 私が死ぬつもりだと言っても、引き留める素振りも見せない。それどころか、いつ死ぬんだとぶっきらぼうに聞いてきた。

 そんな彼が、私に興味を持ってる? 否定しようとしたが、それならどうしてあの時、男から私を助けたの? そんな疑念が脳裏をよぎった。

「どんな理由であれ、あいつが自分から面倒をみると言った。だから私は信じた。姉だからね」

 そう言った青空〈そら〉の笑みに、海もつられて笑った。

「……自分のこと、出来れば青空〈そら〉さんにも打ち明けたいって思ってます。でも……すいません、今はまだ勇気がなくて」

「出来た時でいいよ。私は基本、無理強いしない主義だから。どんなことでも相手の気持ちを尊重したい。だって海ちゃん、立派な大人なんだし」

 こういう考え方、大地と同じだな。流石姉弟、そう思った。

「あの、それでなんですけど……これからどこに行くのですか?」

「ん? ああそうだね、説明しとかないとね。私たちは今から、喫茶店で接客するの」

「接客……ですか」

「苦手?」

「苦手ってほどじゃないですけど、得意でもないって言うか」

「そうなんだね。でも大丈夫だよ。スタッフは私と大地、そしてオーナーの三人だけ。それに今日のお客さんは、海ちゃんが想像してるような人たちじゃないから」

「それってどういう」

「行けば分かるよ。それにまあ、その場で無理って思ったら、休んでていいからさ」

「は、はあ……」

 行き当たりばったりと言うか、出たとこ勝負と言うか。

 この人やっぱり面白い。そう思い、海はうなずいた。

「分かりました。お役に立てるか分かりませんが、頑張ってみます」

「あはははははっ、元気があってよろしい。でもまあ、無理しないようにね」

 そう言って二本目の煙草をくわえた時、大地が帰ってきた。

「ただいま……って青空姉〈そらねえ〉、なんで吸ってるんだよ」

「やばっ……もう帰って来たんかい」

「早くて悪かったな。海が心配だったからな」

「ほおおっ、お優しいことで」

「うっせえよ。ほら煙草」

「サンキュー」

「それ、二本目だよな。残り三本だからな」

「わーってるって。ちゃんと守ってますよ」

「海、大丈夫だったか?」

「うん。色々お話し出来て楽しかったよ」

「変なこと聞かれなかったか?」

「大丈夫だって。心配してくれてありがとう」

「おうおう、アラフォーの姉の前で見せつけてくれちゃって」

「だーかーら、そんなんじゃないって言ってるだろ」

「あ、そうだ海ちゃん。もうひとつ、大事なこと聞きたかったんだ」

「人の話を聞けって」

「うるさいうるさい、弟は少し黙ってろ。海ちゃん、嘘はなしで正直に答えてほしいんだけど」

「なんでしょう」

「出会ってから今までで、こいつ何回死ぬって言った?」

「ぎっ!」

「え……」

「いやね、こいつってば、口癖のように死にたいって言うんだよ。そんな気がない時でも、それがさも当然なような顔で口にするの。

 でもね、言霊〈ことだま〉ってあるじゃない? 嘘でもそんな言葉を吐いてたら、そういう方向に人生が進んでいくと思うんだ。だから私、いつもこいつを見張ってるの」

「……」

 自分も今、そうなんです。そう思った。

「楽しい、嬉しい、幸せだ。無理にでもそういう言葉を口にしてたら、気持ちもそういう風になっていく。マイナスの言葉を口にしてたら、どんどん心が沈んでいく。そう思わない?」

「そ、そうですね……言われてみたら、確かにそんな気がします」

「でしょでしょ? それでどう? こいつ、何回死ぬって言った?」

「ええっと……」

 さりげなく大地に視線を移すと、大地は諦めた様子で両手を上げた。

「こいつのことは気にしなくていいよ。大丈夫、逆恨みなんて私がさせないから」

「具体的な回数までは覚えてませんが……そうですね、何回か口にしてました」

「よろしい、よく言ってくれた。おい大地、あれ持ってこい」

「分かったよ」

 大地がため息をつき、スチール製の貯金箱を青空〈そら〉に渡した。

「海ちゃん、だいぶあんたに気を使ってるみたいだね。かばいたいって気持ちがひしひしと伝わってきた。そんな海ちゃんに免じて、5回で許してやる」

「5回もかよ」

「何言ってるのよ。今の海ちゃんの言い方だと、絶対それ以上言ってたでしょ」

「はいはい、5回分ね」

 そう言って、大地は財布から2500円を取り出し、中に入れた。

「青空〈そら〉さん、それって」

「これは罰金なんだ。一回死ぬって言うたびに500円」

「なるほど……」

「この貯金箱で何個目になるのかな。とにかくこいつ、何かあったらすぐ死にたいって言うから。罰金制にでもしないと、際限なく吐きまくるんだ。

 そういう訳だからさ、こいつのこと、しっかり見張っててね。罰金がたまったら、海ちゃんの好きに使っていいから」

「おいおい、何勝手なこと言ってるんだよ」

「いいえ、これは決定事項だから。今日この時、この瞬間に私が決めました」

「全く……」

 笑顔で話す青空〈そら〉。呆れ気味にため息を吐く大地。

 二人を見ながら、海はいつの間にか笑顔になっていた。

 ここにいると、気持ちが温かくなっていく。ほんと、不思議な人たちだな。

 そう思いながら。

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